訪問看護は、仕事もプライベートも「自分らしさ」が活きる場所

近年、看護師の働き方として注目されている「訪問看護」。高齢化社会の進行とともに在宅医療の需要が高まりをみせ、訪問看護の利用者も増加しています。今回は、実際に病院勤務から訪問看護へ転職した現役看護師に、「病院勤務との違い」「やりがい」「働きやすさ」など、さまざまなお話を伺ってきました。

訪問看護師
MNさん

看護学校卒業後、総合病院の消化器内科、療養病棟など約7年の病院勤務経験を経て、ココライフに訪問看護師として入職。高齢者訪問看護を中心に、精神科訪問看護など月100件ほどの訪問サービスを担当。優しくおだやかな対応で、多くの患者さんから信頼を得ている。

利用者さん一人ひとりにじっくりと向き合える「訪問看護」

訪問看護へ転職したきっかけを教えてください

看護学校卒業後、約7年間、消化器内科、療養病棟など病院勤務をしていました。多くの知識や経験を得ることはできたものの、だんだん夜間勤務がきつくなってきて…。夜間勤務のない職場を考えるようになりました。

実際、訪問看護師として働いてみていかがですか。病院勤務との違いを聞かせてください

病院勤務時は、検査出し、点滴、おむつ替えなど、ひっきりなしに対応していました。患者さん一人ひとりに対応する時間がどうしても短くなる半面、病状管理などのためパソコンに向かい合う時間が長かったです。緊急入院の患者さんへの対応など、予想外のことも多く、とにかく慌ただしかったですね。

訪問看護に移ってからは、患者さん一人ひとりに長い時間がとれるようになりました。30分、1時間など、決められた時間内で、その方に合ったケアをじっくりと行います。1対1で、ゆっくりお話しする中で関係性を築くことができるのが嬉しいですね。

1日何件ぐらいの訪問なのでしょうか?

朝8:30に出勤後、カンファレンスでスタッフ間の情報交換をした後、9:00に1件目の訪問がスタートします。その後、日にもよりますが、だいたい1日5~6件ほど訪問します。訪問件数が少ない日は、事業所で事務作業をする日もあります。

訪問看護で感じる不安について、どのように解決していますか?

訪問先では一人で対応しますが、ケアの提供やその他について不安があれば、その場で電話などを使って事業所のスタッフや主治医に相談することもできます。毎朝行われるカンファレンスでの情報交換も役立っています。

ココライフでは、業務に慣れるまで1か月ほど先輩看護師に同行し、実践を通して、訪問看護の基本、動き方を身に付けていきますので、過度な心配は必要ありません。

「大変さ」は、そのまま「やりがい」に

在宅で看護する際、大変なことは何ですか?

当然のことですが、患者さん一人ひとり、病状のほかにライフスタイル、価値観、考え方が異なるという点です。それぞれの患者さんが安心してケアを受けてもらえるよう、ある程度時間をかけてコミュニケーションを重ねていく必要があります。信頼できる人間関係を築くことが大切になりますね。

時間をかけた分、喜び、やりがいも大きくなるのですね

はい。だんだんと心を開いていろいろなお話をしてくれるようになると、とても嬉しいですし、ケアもスムーズに行えるようになります。入院治療などで全快できなかった患者さんが時間をかけてでも少しずつ病状がよくなったり、傷が治ったりしていくのを見ると、やりがいを感じますね。

心がけていることはありますか?

訪問看護は、ご利用者のご自宅に伺い、そこにご家族もいらっしゃることも多いです。そのような場合は、ご本人だけでなく、ご家族のお話もよく伺い、ご家族の不安の軽減や健康が維持できるよう、気を配ります。また、点滴や注射、吸引など、「医師との橋渡し役」として、安全な医療行為を行うということは言うまでもありません。

在宅での「看取り」を経験して

訪問看護師として、印象に残る経験はありますか?

ご利用者の中には、住み慣れたご自宅で最期を迎えたいという方もいらっしゃいます。訪問看護に携わってしばらくした頃、ある患者さんの「看取り」に立ち会うことがありました。ご家族皆さんに囲まれながら穏やかに旅立たれ、その後、ご家族に丁寧に体を拭いてもらう姿がとても印象に残っています。人生の最期の時に寄り添う訪問看護師として、ご本人が尊厳ある人生を終えられるよう、ご本人とご家族を支えることの大切さを改めて学びました。

充実したプライベートがあってこそ、仕事にも真摯に向き合える

仕事とプライベートの両立はいかがですか?

趣味は、シュノーケリングと旅行。シュノーケリングは小学校の頃から続けていて、かなり本格的に楽しんでいます。ココライフは、土日祝が休日なので、予定が立てやすいですね。

そんな中でも当番制でオンコール(24時間緊急対応)対応はあり、担当日はいつでも電話に対応し、場合によっては現場に向かう必要があります。様々な利用者さんがいるため、急変することもあり、夜間に駆けつけることも少なくありません。担当日は自宅で過ごすことはできるものの、緊張感を強いられることになります。

ココライフでは、スタッフ間でスケジュールを調整して、お互いに融通し合って担当を決めています。風通しがよく、オンコールに関しても、希望を伝えやすい雰囲気で助かっています。有給を使って旅行の計画も立てており、心身ともにリフレッシュした後は、仕事も前向きに取り組めます。

訪問看護師を目指す方々へ

病院勤務の経験は必要になりますか?

利用者さんの状況に応じた的確な対応が必要となる訪問看護では、ある程度の病棟経験やキャリアがあった方がベターでしょう。いま、病院勤務している看護師さんは、業務ひとつひとつが訪問看護師として働く際に役立つ経験となります。とはいっても、訪問看護では「初めてのケース」に出合うこともしばしば。未経験のことに直面したときに自ら考え、動き、学ぶ姿勢持っていることが、何より大切かもしれません。

どういう方が訪問看護師に向いていますか?

「人が好き」ということが一番ではないでしょうか。訪問看護は、患者さんご本人ともご家族とも長期間にわたって関わることも多く、それぞれの生活や思いに寄り添いながら、関係を築いていく仕事です。「人対人」の関わりの中、看護師自身も人間として成長できる職場だと思います。